仙台育英11−10浦和学院 投手交代に首を振ったエース小島和哉

2013年第95回全国高校野球選手権大会1回戦

仙台育英vs浦和学院

 

この大会の1回戦としては屈指の好カードとなった。浦和学院は春の選抜で優勝し、春夏連覇がかかった大会でもあり注目が集まっていた。2年生左腕の小島和哉を擁して優勝候補の筆頭に挙げられていた。

 

先攻の浦和学院は3番山根のタイムリー2塁打で幸先よく先制。

後攻の仙台育英は初回から反撃に出る。先頭の熊谷がヒットで出塁すると、浦学エース小島が大乱調。5四死球、2被安打でこの回だけで6点が仙台育英に入る。選抜王者の絶対エースのまさかの展開に球場は異様な雰囲気になった。

 

5点差がついたものの、浦和学院は全く諦めの考えはない。3回、9番津田の2塁打を歯切りに、服部、木暮、西川の二塁打など長打攻勢を畳み掛け、この回7安打を集中。一挙8得点で逆転に成功した。

浦和学院は4回にも1点を追加。

 

初回の6得点以降、小島に抑えられ0がスコアボードに並んでいた仙台育英。試合は決まったかに思われた。しかしここからが名門仙台育英の意地だった。

 

6−10で4点差を追う6回。連打でチャンスを作ると2番菊名の2塁打など、この回4安打を浴びせ4得点のビッグイニングで同点に。6回終了時点で10−10の第乱打戦。

 

1点を争う試合は最終回まで同点で進む。

 

9回表、浦和学院は1死からヒットでランナーを出すも、後続が凡退し、3アウト。

 

9回裏、仙台育英の攻撃。1アウトとなった時、浦和学院のマウンド上の小島はすでに限界が近かった。左足がつり、一時試合が止まる。重要な場面。森士監督も交代させるべきかどうか難しい判断をせざるを得ない状況。水分補給とストレッチを行ったあと、小島は再びマウンドに戻る。2死となった後、9番小野寺がレフト前ヒットで出塁。ここで森監督は交代を決断。交代を告げられた時、小島はベンチに向かって首を横に振った。エースとしてこの土壇場の場面、絶対に抑えてやるという気迫がすごく印象的だった。でも体は限界。一打サヨナラの場面。小島はマウンドを降りた。

 

小島からマウンドを受け継いだ山口。バッターは仙台育英1番熊谷。振り抜いた打球はレフト線後方へ。これがサヨナラとなった。

 

仙台育英11x−10浦和学院

 

両チーム二桁得点、二桁安打と壮絶な打ち合いとなったこの試合。第4試合ということもあり、ナイターでの試合で終了時間は19時34分。初回の仙台育英6得点、3回の浦和学院の8得点とお互いに序盤からビッグイニングを作ったことが印象深かった。

182球を投げた浦学小島の投球にも心を打たれた。交代を告げられた時の首を振ったシーンは後世に語り継がれるだろう名シーンだった。


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