大阪桐蔭8−3履正社 大いに沸いた履正社の土壇場同点劇 第89回選抜決勝戦

史上初の決勝戦大阪勢対決となった、第89回選抜高校野球大会。

 

大阪桐蔭vs履正社

 

 

 

大会前より、両チーム優勝候補に挙げられるほどチーム力は高く、決勝まで進んだことには驚きはなかった。ただ、大阪府で凌ぎを削り合うこの2校が、まさか決勝戦で当たるとは予想していなかった。

 

 

大阪桐蔭は、エース徳山、キャッチャーで主将の福井のバッテリーを中心に、投打共に戦力充実したチーム。一方履正社は、3番安田、4番若林を筆頭に、強力打線を誇るチームでここまで勝ち上がってきた。
バッテリーでは大阪桐蔭、打線では履正社が上と見ていた対決だったため、拮抗した試合になるのではないかと思っていた。試合は序盤から動く。


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2年生藤原恭大が覚醒

先攻の大阪桐蔭は、1番の2年生藤原がいきなり魅せる。正直この大会の藤原は決勝まで本来のバッティングができていなかった。後に大注目されるようになった歯切りとなった試合は、間違いなくこの決勝戦だと思う。

 

サイレンが鳴り終わった直後、カウント2−2から履正社のエース竹田のインコースへのスライダーを振り抜き、ライトスタンドへ叩き込む先頭打者ホームラン。これには度肝を抜かれた。インコース低めの難しいボールをすくい上げるようにライトへ持っていったのは素晴らしかった。早くも大阪桐蔭が1点を先制する。

 

 

 

1回裏履正社の攻撃。

強打が持ち味の履正社打線。大阪桐蔭の先発はエース徳山。注目が集まった。

反撃したい履正社だったが、徳山は圧巻のピッチングをみせた。履正社の上位打線1番石田、2番溝辺、3番安田に対し、3者連続三振。溝辺、安田に関しては見逃し三振に抑える完璧なピッチングでスタートを切った。相変わらず徳山のストライクとボールの境界線のボールの微妙なコース分け、追い込んでからのスライダーのコースとキレは圧巻としか言いようがない。見ていて気持ちいほどの投球。

 

 

 

2回表大阪桐蔭の攻撃

2死ランナー無しとなったところで、7番坂ノ下。フルカウントから高めのストレートをレフトスタンドへのホームランを放ち、2−0とリードを広げる。ホームランで大阪桐蔭が有利に試合を進める。

 

 

 

その後は徳山、竹田の両エースの好投で両チーム点が入らないまま、試合が進む。

 

 

 

 

 

2−0で迎えた6回表。またもや大阪桐蔭藤原が竹田を捉える。

この回先頭の藤原は、カウント2−2から高めのストレートを右中間スタンドへ運ぶホームラン。この日藤原自身2本目となるホームランで3−0と履正社を突き放す。打線では履正社の方が上だと思っていたけど、ここへ来て大阪桐蔭がホームラン攻勢で終盤まで来ることに。

 

 

6回裏。

履正社はここまで徳山にノーヒットピッチングをされていた。完璧に抑えられていたが、9番西山がライトオーバーの3ベースヒットで出塁。この日初めてのヒットでチャンスを作る。

ノーアウト3塁。何としても反撃したい履正社だったが、続く石田はライトフライ、溝辺はピッチャーゴロに倒れ2アウト。3番安田はフォアボールで出塁するが、4番安田は外角スライダーに手が出ず、この回無得点に終わる。

 

 

 

試合は終盤8回。

残り2イニングとなった履正社は8回裏の攻撃。守る大阪桐蔭は表の攻撃で代打で出ていた根尾をセンターの守備へ。センター藤原はライトの守りについた。後のドラフト1位コンビが同時に外野の守備についた。

1死1塁となり、3番安田は徳山のストレートを捉えレフト前ヒット。1塁3塁のチャンスを作る。続く4番若林は、同じくストレートを三遊間へ強烈なタイムリー。1点を返す。

強打の履正社中軸。3番4番の連打に5番浜内も応える。1塁2塁のチャンスから、浜内は外角のスライダーを左中間を抜ける同点タイムリーツーベースヒット。ここまで完璧に抑えられていた徳山から3連打の猛攻で一挙3得点。試合を振り出しに戻した。

 

 

 

 

最終回。

同点に追いつかれた大阪桐蔭は、先頭坂ノ下がライト前ヒットで出塁する。その後1死2塁となり、バッター徳山に変わり、代打西島。竹田とはこの試合初めての対決ながらも、真ん中に入ってきたストレートを捉えてレフトスタンドへ飛び込む2ランホームラン。貴重な勝ち越し弾で2点差とする。

なおもこの日2ホーマーの藤原が3塁打で再びチャンスを作ると、途中出場の根尾がライトポール側へのタイムリーヒットで追加点で6−3。

続く3番中川は、インコースの難しいスライダーを腕をたたみながらライトオーバーのタイムリーツーベース。7点目。

ダメ押しは4番山本のセンター前タイムリー。8点目。

この回5得点のビッグイニングを作り、再びリードを広げた。

 

 

 

9回裏。

守る大阪桐蔭は、根尾をマウンドへ。2つフォアボールを出すものの、最後は履正社石田をゲッツーに抑え、試合終了。

史上初の大阪勢対決となった決勝戦は、8−3で大阪桐蔭が優勝という結果で幕を閉じた。

 

 

 

決勝にふさわしい履正社の同点劇


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正直徳山のピッチングが圧巻で、いくら履正社打線でも打ち崩すのは難しいと感じていた。初回の3者連続三振をスタートに、5回までノーノーピッチング。6回に初めてのヒットを打たれ、ノーアウト3塁のピンチを作るも無失点に切り抜けた。

 

あそこで点が取れなかったこともあって、履正社はこのまま完封負けを食らうんじゃないかというのもよぎった。

 

ただあの8回の3連打は見事。安田のレフト前ヒットは完璧に捉えた打球。その後見事に続いた4番若林。若林の打球も痛烈な打球。そして5番浜内、打ったのは外角のスライダー。この試合履正社打線がことごとく打てていなかったボール。ストライクゾーンギリギリの厳しいコースだったが、見事に拾って同点に。

ほとんどがあのまま大阪桐蔭が完封勝利で優勝するだろうと思っていた展開で、土壇場での履正社の同点劇は大いに沸いた。

 

最後まで目が離せない決勝戦にふさわしい試合だった。

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