ベース踏み損ない、逆転サヨナラに。仙台育英、大阪桐蔭の春夏連覇阻止!

2017年第99回大会夏の甲子園

大阪桐蔭vs仙台育英

 

春の選抜で優勝した大阪桐蔭が、史上初の2度目の春夏連覇を目指した第99回大会。1回戦の米子松蔭戦、2回戦の智弁和歌山戦に続く3回戦。相手はみちのくの強豪仙台育英。

 

スタメンに2年生が多いながら戦力充実する大阪桐蔭だが、仙台育英は絶対エース長谷川を擁する。長谷川はここまで2試合に登板し無失点。大阪桐蔭の先発2年生の柿木との投手戦も予想された。

 


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そして予想は的中。試合開始から両チームのスコアボードには0が並ぶ。両先発ともに相手打線に連打を許さないピッチング。7回まで1イニングで複数安打を打つ場面も見られなかった。

 

そして終盤8回。突破口を破ったのは先攻の大阪桐蔭だった。2番山本が左中間への2塁打でチャンスを作ると、3番中川の適時打で先制。長谷川の甲子園無失点記録を22イニングで止めた。

 

1−0で試合は最終回へ。9回裏。大阪桐蔭は柿木をそのままマウンドへ送る。

先頭の3番山田はセンターへの飛球でアウト。続く4番佐川は外角のまっすぐに手が出ず見逃し三振。2アウトでランナー無し。

だがここから仙台育英が粘る。

5番杉山がセンターでのヒットで出塁する。この日チーム6本目のヒット。2アウト1塁。

6番渡部の打席では1塁ランナーの杉山が盗塁を成功させたため、敬遠気味の四球で出塁。2アウト1、2塁。

 

そして7番若山の打席。柿木の低めのまっすぐを引っ掛け、打球はショートへ。ショート泉口がきっちり捕球し、一塁へ送球。送球を受けた一塁手中川卓也。タイミングは完全にアウト。実況も「3アウト試合終了」と発言。しかし一塁塁審の両手は左右に広がりセーフの判定。中川の足がベースを踏み損ねており、結果セーフの判定に。2アウト満塁で試合は続くことに。

 

甲子園は異様な雰囲気に包まれる。大阪当院はすかさず守備のタイムを取り、内野手がマウンドに集まる。仙台育英アルプスからは大声援。

バッターは途中出場の馬目。この日初めての打席。

1ボールからの2球目ストレート。馬目の振り抜いた打球は左中間へ。真っ二つに破るサヨナラの2点タイムリーヒット。劇的すぎるサヨナラ劇。大阪桐蔭の春夏連覇を阻止した。

 

馬目の打球が外野を抜け、サヨナラ負けが決まった瞬間、主将の捕手福井の目には涙が溢れた。こらえきれない涙を腕で必死に隠す姿。非常に印象的であった。

また打たれた2年生柿木もまた涙をこらえ切れなかった。ストライクを取りに行ってしまったのが悔しいと整列時も山本ダンテ武蔵に支えられながらの整列であった。

 

一番悔しかったのは1塁手の中川だったのではないだろうか。ベースをしっかり踏めなかったことで結果的にサヨナラ負けにつながってしまった。

後の中川の話では、ショートの泉口が捕球後に2塁に投げると思い込んでしまったのが原因とのこと。少しの判断ミスが一塁に入るタイミングの遅れに繋がり、結果ベースの位置を確認できずにあのプレーに繋がってしまった。

だが中川のすごい所はここから。


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この日負けたことで3年生が引退。新主将に中川が指名された。そしてこの敗戦をその日の夜に切り換えたとのこと。「来年の夏、忘れ物(夏の優勝旗)を必ず取りに帰る。先輩たちのためにも春夏連覇の夢を必ず叶える」と決め、新チームをスタートさせた。

 

あの試合を忘れた日は1日もない。と語る中川。新チームで徹底したのは「100%の確認」だ。自身が経験したことを課題にし、チームの強化に取り組んだ。

 

そして春の選抜で見事に優勝。続く第100回夏の甲子園においても圧倒的な力で見事春夏連覇を達成した。まさに有言実行を果たした。

あの忘れられない悔しさがあったからこそ、大阪桐蔭はさらに強くなり、前人未到の2度目の春夏連覇という偉業を成し遂げたのであった。


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