5季連続甲子園の難しさ。名門智辯和歌山を復活させた3選手
甲子園に出場できるチーム及び選手は、ほんの一握り。全国で4000近い学校数の中から、毎年夏の甲子園に出場できるのは49校、春の選抜甲子園は32校とわずかな数。
どんな強豪校でも、甲子園に出ることは並大抵の努力では出場できません。ですが、この甲子園に5季連続で出場し続けた選手たちがいます。
高校野球というのは、1年生の春に入学して、3年生の夏の大会終了後に引退となります。1年夏の甲子園から数えて、甲子園に出れるチャンスは5回あります。5季連続というのは、この全てのチャンスで甲子園に出場したことを指します。
5季連続出場 智辯和歌山を復活させた3選手
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2020年現在、過去にこの5季連続出場を果たした選手は、全部で12人います。誰もが知っているPL学園のKKコンビ桑田と清原がその代表格。100年を超える長い歴史の中でも12人しか達成できていないことを考えると、どれほど難しいのかが分かります。
それに、ただ単に学校が甲子園に出場しただけでは、選手の出場数はカウントされません。少なくともベンチ入りしている必要があります。したがって1年生の夏の甲子園にはベンチ入りしていなければ、そこで5季連続出場はなくなります。
ここで注目したいのは、直近の出場選手について。
2019年の夏の甲子園で5季連続出場したのが、智辯和歌山の黒川史陽、東妻純平、西川晋太郎の3選手です。
黒川選手は2019年ドラフト会議で楽天から2位指名、東妻選手は横浜DeNAから4位指名され、それぞれプロ選手として活躍しています。
名門と呼ばれる智辯和歌山ですが、意外にも彼らが1年生だった2017年以前は、甲子園に出場できないあるいは出ても初戦敗退という低迷期でした。2017年夏の甲子園の初戦・興南高校との試合で勝利しましたが、この勝利は2011年以来6年ぶりの勝利という意外なもの。2011年は、同じく5季連続出場した道端俊輔選手を擁した世代でもあります。
彼らが1年生で出場した2017年夏をスタートに、智辯和歌山の復活劇が始まります。1年生春の選抜甲子園では、3人ともレギュラーとして全試合スタメン出場。一気に駆け上がり、準優勝という結果に。
2年生春の甲子園でもベスト8。3年夏の甲子園はベスト16ながらも、準優勝した奥川投手擁する星稜との延長14回タイブレークの死闘を演じ、球史に残る熱戦を繰り広げました。
まさに復活の立役者と言えますね。
全試合スタメン。5季連続で守り抜いたショート
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ここでさらに注目したいのが西川晋太郎選手。黒川選手、東妻選手のようにプロに指名された2選手よりも優れている点があります。
それは、全試合スタメン出場を果たしていることです。
これはプロ指名された2人ですら達成できていない快挙です。
2017年初戦の興南戦。西川選手は8番ショートでスタメン出場。以後5度の甲子園でずっとショートを守り続けてきました。優れているのはそれだけではありません。ショートの守備に関しては、全国一とも言える守備力の高さ。5回も出ていれば何度かエラーすることだって普通ですが、彼の場合は大きなミスは見たことがありません。グラブ捌きは高校生とは思えないほど。
また打撃面でも打の中心選手。3年夏には強打を誇る智辯和歌山打線の中軸3番を担い、星稜奥川投手から同点打を放つなど、バッティングにも定評があります。小柄ながらパンチ力もあり、攻守に渡って3年間活躍し続けました。
そもそも1年の夏からスタメン出場すること自体すごいことですよ。ショートという守備の中でも難しいとされるポジションを、中学を卒業して間もない1年生に任せるわけですから。あの名将高嶋仁監督の采配も思い切ったなあと思いましたが、見事に結果を残しましたね。
西川選手はプロ志望はせず、現在は立教大学で野球を続けているとのことです。
以上のように、5季連続甲子園出場選手について書いてきました。とにかく過去12人しか達成できていない快挙。2000年代に入ってからもまだ6人しかいません。
学校としての連続出場も難しいのに、選手として全ての甲子園出場チャンスをモノにするだけでものすごいこと。
学校だけでなく、選手個人の記録にも注目してみるのも、甲子園の楽しみの一つかもしれませんね。
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