私が高校野球ファンになったきっかけ。あの伝説の試合から感じたこと。

何かに夢中になったり、好きになったりするのには、必ずきっかけというものがあるはず。そのきっかけとなる出来事を歯切りに、物事に夢中になってのめり込むものである。

 

私が高校野球に夢中になって、こんなウェブサイトを運営しているのにもきっかけがある。もともと野球が特段好きというわけでもなく、子供の頃はむしろサッカーが好きで、将来の夢はサッカー選手。日本代表でW杯に出てハットトリックを取るという目標をたて、卒業文集に書いたような記憶もある笑。 野球に関しては、親父の影響でプロ野球観戦をテレビの前でしていたくらいだった。

 

ただそんな中、高校野球に興味を持つ最初のきっかけがあった。20世紀最後の大会となった2000年夏の甲子園大会。記憶に新しいのは決勝戦だった。その日は外へ遊びに出かけていて帰ってきた時、親と祖父がテレビに釘付けになっていた。何を見ているんだろうと、一緒にその場に加わった。見ていたのは甲子園決勝戦。高校野球はもちろん知っていたが、決勝戦で戦っていたのは、自分の地元和歌山の高校だった。試合は終盤で見ているうちに、見事勝利を収めることに。その瞬間優勝が決まった。閉会式で表彰されている光景は、今でも鮮明に記憶に残っている。そう、それが当時黄金期の智辯和歌山だった。

優勝に湧いた我が家だったが、すぐさまファンになったわけではなかった。まだあの当時は地元の県の高校だから応援するといった感じだった。この選手はホームラン打つ選手だ、このピッチャーがエースというような抽象的な表現しかできないくらいの感じ。もちろん智辯が毎年甲子園に出れるわけでもなく、時間が経つことにつれ興味はなくなっていった。

 


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だがもう一度、その熱を呼び起こすきっかけが訪れる。それが6年後の2006年。2006年という年だけで、ピンとくる方も多いのではないでしょうか。名勝負が多かったこの年。決勝戦の早実vs駒大苫小牧の決勝戦再試合は誰もが認める名勝負。だがもう一つ、伝説の試合があった。それが準々決勝、智辯和歌山vs帝京の試合。今も伝説と語り継がれる試合である。私だけでなく多くの高校野球ファンにとっても特別な試合と挙げる代表格だろう。

 

この日、智辯和歌山がベスト4をかけて準々決勝を戦うことは知っていた。ただ別に最初から観戦していたわけでもなく、その日は夕方から和歌山市のホテルに宿泊していた。ホテルの部屋に着いて、特にやることもないので適当にテレビのスイッチを入れたところ、甲子園の中継がやっていたという感じだった。

 

試合はすでに終盤の7回だった。6−2でリードしており、3番廣井選手の2ランが飛び出し、8−2とリードを広げた。8回表に2点を返されたものの、残るはあと1イニング。余裕をかまして見ていた。しかし最終回、あとアウト1つのところまで順調だったが、そこからヒットや守備のミスでピンチが広がり、連打を浴びる。あれよあれよと点差が縮まって行き、8−7。4点のリードがありながら何やってんねん智辯。テレビ越しからでも甲子園の空気が完全に帝京にいっていることが分かった。球場の雰囲気が帝京打線を後押しし、さらに点差が広がる。だめ押しに3ランを浴び、8−12と逆に4点差をつけられた。この瞬間、「あー智辯終わったなあ。お疲れさんでした」と完全に諦めてテレビの電源を切った。

 

そして当時ハマっていたニンテンドーDSのソフトで欲しいものがあったので、それを見に行こうと思い立ちホテルを出た。ホテル周りは土地勘がないため、最寄りのゲーム屋さんを見つけるためタクシーを止めて運転手さんに聞いた。すると一番近いのがぶらくり町と呼ばれる商店街にあるとのことだったので、そこまで送ってもらうことにした。タクシーに乗っている時間は5分くらいだったと思う。だがその5分の間、車内ではラジオが流れていた。そのラジオから聞こえてきたのは、甲子園の実況中継だった。

 


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ホテルを出て、すでに20分近く経過していたと思う。「え、まだやってんの?あのまま負けたやろ?次の試合が始まったんか?」なんてことが思い浮かんだ。でも紛れもなくラジオの実況はさっきの試合の続きだった。運転手さんが、「今さっきホームランで1点差まで詰め寄ったんですわ。逆転もありえまっせ!」と言ってきた。そう、智辯和歌山の4番橋本選手が3ランを放ち、1点差まで追い上げていた。マジかマジかと興奮しながら、タクシーは目的地のぶらくり町に着いた。タクシーを降りて商店街を歩いていると、とあるお店の前に人だかりができていた。このぶらくり町という商店街は、残念ながら人通りが少なく、シャッターが閉まっている店が多いのが特徴的。なのに人だかりができていたので、ただ事ではないことはすぐに分かった。現場に行ってみると、そこは小さな電気屋さんだった。そしてお店の前に商品となる大型のテレビがおいてあり、NHKの高校野球中継が放映されていた。その映像を見た瞬間、鳥肌が立ったのを今でも覚えている。

 

智辯和歌山12−12帝京 9回裏1アウト満塁。

 

なんとあのホームランの後、同点に追いついており、一打サヨナラのチャンスの場面だった。とんでもない展開に身震いした。バッターは当時のキャプテン古宮選手。電気屋の前で観戦していた人は20〜30人くらいはいたと思う。固唾を飲んで祈った。。。結果は、、、、

 

 

押し出しサヨナラ!

 

 

智辯和歌山が4点差をひっくり返す大逆転劇で勝利を収めたのだった。電気屋の前では拍手喝采。知らない人たちとハイタッチして喜んだのを覚えている。

 

この試合を見て、智辯和歌山ファンとなり、高校野球にのめり込むことになった。でもただ単に高校野球が好きというだけではない。電気屋さんでの出来事もあるが、高校野球というものは、人や町を活気づけ、感動を与えてくれる素晴らしいスポーツなんだなあと実感している。あそこにいた30人ほどのうち、高校野球ファンだった人はほとんどいなかったと思う。ただ、地元の高校生たちが甲子園であんなすごい試合をやってのける。応援しない選択肢はないし、世代を問わず多くの人が元気になれる。高校野球はそんな意味合いも含めて、大いに素晴らしいものであると思うし、これからも多くの人に感動を与えていってほしい。


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