史上初の快挙。先頭打者弾、サヨナラ弾。明石商4xー3智辯和歌山

第91回選抜高校野球 準々決勝

 

明石商業ー智辯和歌山

 

近畿勢が直接対決した準々決勝。両校は昨年2018年秋の近畿大会準決勝でも対決しており、その時は明石商業が12−0のコールドで智辯和歌山に勝っています。智辯和歌山はその時のリベンジにも燃える一戦でした。

 

明石商業は、初戦、2回戦ともに大差での勝利。打線が活発で、注目の2年生エース中森の状態も良く、優勝候補の一角。

対する智辯和歌山も持ち味の打線は健在。2試合連続2桁安打で、課題の投手陣も2試合で4失点と安定。

 

前評判では打ち合いの予感。智辯・中谷監督も7、8点の勝負になるのではないかとの予想でした。

 

試合は序盤から波乱の展開。


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先行智辯和歌山で始まった試合は、先頭細川が四球で出塁。続く2番西川も連続四球で出塁。明石商の先発中森の制球が定まりません。

3番黒川は三振に倒れるものの、4番東妻も四球で満塁に。中森は5番根来には3球で三振を奪うものの、続く6番佐藤にもフルカウントから四球を与え、智辯和歌山が押し出しで先制。

 

悪い流れで先制を許した明石商であったが、その流れを払拭するかのように、先頭の2年生来田が先頭打者ホームラン。瞬く間に1−1の同点に。打線が活発な明石商。2番水上もレフトへ痛烈な2塁打。1アウト3塁となり、4番安藤の内野ゴロの間に勝ち越し。明石商が2−1と逆転に成功。智辯和歌山の先発池田泰騎の立ち上がりをうまく攻めた攻撃でした。

 

来田のホームランで完全に勢い付いた明石商は2回の攻撃も、清水、中森の連打でチャンスを作り、1番来田に回ります。外角へのまっすぐを捉え、左中間深いところへの犠牲フライ。3−1とリードを広げます。

2回終了時点で明石商は6安打を放っており、ワンサイドゲームかと思われる展開。智辯和歌山は3回から投手交代。右の小林樹斗をマウンドへ。

 

小林は速球で押すタイプの右腕。2年生ながら140kmを超えるストレートで明石商打線に対し力で押していきます。4回には来田に対し、インコースへ147kmのストレート。自己最速を記録。明石商業打線も小林の投球に押される場面が目立ち始めます。

 

3回、4回と無失点に抑えた智辯和歌山小林。この小林の好投に応えるように、5回、先頭の西川がヒットで出塁。続く3番黒川は初球のまっすぐを完璧に捉え、左中間へのタイムリーツーベース。4番東妻もセンター返しのヒットで出塁。5番根来はライトへの犠牲フライでついに同点に。3巡目に入ってきたところで2番3番4番の連打はさすが智辯和歌山打線。中森も球数が多くなってきた中疲れが見え始めたか。3−3の同点で折り返す。

 

同点で迎えた7回表。智辯和歌山先頭の東妻がレフト後方への3塁打で追加点のチャンスを作る。ノーアウト3塁の場面。色々考えられる場面で、5番根来はセカンドゴロ。続く6番佐藤に対してはフルカウントからインコースへこの日最速となる146kmの真っ直ぐで見逃し三振。この一球は手が出ない最高のボールでした。7番硲も倒れ、智辯和歌山はこの回無得点。

 

智辯としては少し流れが悪い。それが直後の7回裏に出る。

好投を続けてきた小林に対し、明石商打線は3番重宮、4番安藤が連打でノーアウト1、2塁の勝ち越しチャンス。小林のストレートにも慣れてきたか。1点を争う場面。明石商は5番岡田の打席。当たっている岡田に対してベンチはバントの指示。初球の変化球はストライクだったが、岡田はバットを引いた。セカンドランナーはサード方向へ飛び出していた。智辯和歌山のキャッチャーはプロ注目の強肩東妻。セカンドへ矢のような送球でセカンドランナー戻れずタッチアウト。明石商は大きなチャンスを逃し無得点。

お互い堅守が光り、試合は最終回へ。

 

9回表、智辯和歌山は先頭の黒川がヒットで出塁。ノーアウト1塁の場面で、この日2安打の4番東妻は送りバント。1点を取りに行く勝ちに行くバントだった。勝ち越しの大チャンス。3塁側アルプスからは魔曲ジョックロックに乗せた大応援。

だがここでも中森が踏ん張った。5番根来を敬遠で歩かせ、6番佐藤との勝負。佐藤もこの日ヒットを打っている。ここで勝負球は外角スライダー。セカンドゴロに打ち取り、併殺打。智辯はあと一本が出なかった。

 

 

9回裏。試合は劇的な幕切れを見せた。

先頭の来田。カウント2−2からの投じたストレート。キャッチャー東妻は外角へ構えたが、真ん中に入ってきた。それを来田は逃さずフルスイング。真芯で捉えた打球はあっという間にレフトスタンドへ。劇的なサヨナラホームランで明石商業が勝利した。

 

来田はこの試合、先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打を放ち、史上初の快挙となった。

 

打ち合いになると予想された試合だったが、終わってみれば4−3のロースコアの大接戦。両投手の好投が光った試合だった。それにしても2本塁打の来田、エースの中森ともに驚異の2年生だ。対する智辯和歌山の2番手小林も2年生。自己ベストの147kmを記録し、3回以降完璧なピッチング。2年生の大活躍で幕を閉じた大熱戦だった。


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